「3Dスキャナーを購入する前にレンタルして試したい」「単発で使うだけだからレンタルでよい」と考えていませんか?
3Dスキャナーはレンタルも可能で、プロジェクトのニーズに応じて最適な機種を選択すると、初期コストを抑えられます。
本記事では、3Dスキャナーレンタルの基本知識やメリット・デメリットについて解説します。選び方やレンタルできる製品例、注意点もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
【結論】3Dスキャナーはレンタルにも対応している
3Dスキャナーはレンタルにも対応しているため、最新の3D測定技術を搭載した高価な機器の購入せず利用できます。
3Dスキャナーのレンタルサービスを提供している企業は多く、業務用・個人用ともに受け付けています。
高性能な機器の購入となると100万円以上の資金が必要です。レンタルなら特定の期間のみが対象となるため、購入した場合と比べて低コストで使用できます。
3Dスキャナーをレンタルするメリット
まずは、3Dスキャナーを購入せずレンタルするメリットから見ていきましょう。
- コスト削減が実現する
- プロジェクトごとに最適な機種が設置できる
- 最新機器を常に利用できる
- 保守費用や修理費用がかからない
- 保管スペースが不要になる
コスト削減が実現する
3Dスキャナーをレンタルする最大のメリットは「コストの削減」です。
高品質な3Dスキャナーは価格が高く、一時的なプロジェクトや試験的な使用の場合、費用対効果に見合わない可能性があります。
レンタルサービスを利用すると、必要な期間だけ機器を借りられるため、使用しない時期の保管やメンテナンスのコストがかかりません。
プロジェクトごとに最適な機種が設置できる
レンタルの場合、プロジェクトごとに最適な機種を低コストで設置できます。
たとえば、大規模な建築物の測定には長距離をカバーできる機種が合っており、小さな工業製品の測定には高精度を実現する小型の機種が最適です。
レンタルなら高額な機器を毎回購入する必要もなく、異なるニーズに合わせて柔軟に対応できるため、プロジェクトを円滑に進めやすくなります。
最新機器を常に利用できる
レンタルサービスを利用すると、最新機器を低コストで利用可能です。スキャナーの技術は日々進化しており、購入した機器がすぐに古くなるリスクを回避できます。
レンタルの場合、プロジェクトごとに最新かつ最適な機器を選択し利用できるため、常に高いパフォーマンスを維持できます。
保守費用や修理費用がかからない
3Dスキャナーをレンタルすると、保守や修理に関わるコストを気にする必要がなくなります。
3Dスキャナーを購入した場合、定期的なメンテナンスや修理が必要となるため、コストの予測が難しくなり、プロジェクトの予算管理を複雑となります。
レンタルサービスの場合、購入にかかる費用は機器を貸し出したメーカーが負担するため、基本的にランニングコストはかかりません。
保管スペースが不要になる
レンタルサービスの場合、プロジェクト終了後に機器を返却するため、保管スペースを設ける必要もありません。
大型3Dスキャナーを活用する場合、保管スペースを確保することが課題ではあるものの、レンタルなら不要です。
スペースに制約のある企業や研究機関にとって大きなメリットとなり、限られたオフィススペースを有効活用できます。
3Dスキャナーをレンタルするデメリット
3Dスキャナーのレンタルにはメリットが豊富な一方で、デメリットも存在します。
最適な料金プランを選択するためにも、デメリットも事前に確認しておきましょう。
- 長期利用をするとレンタル料金が高くなる
- レンタルできる機種に限りがある
- 故障すると弁償責任が発生する
長期利用をするとレンタル料金が高くなる
3Dスキャナーを長期間レンタルする場合、借りた分だけ費用が徐々に積み重なるため、最終的に購入コストを上回る可能性があります。
数ヶ月、もしくは年単位で使用するプロジェクトの場合、レンタル料金の総額が新品の購入価格を超えてしまうことも珍しくありません。
限られた予算を有効活用するためにも、プロジェクトの期間や頻度を慎重に検討して、レンタルが経済的な選択肢であるか判断することが大切です。
長期的な使用が予想される場合は、購入やリースオプションも検討してみましょう。
レンタルできる機種に限りがある
3Dスキャナーのレンタル市場では、利用可能な機種に限りがあります。最新の技術や特定の機能をもつスキャナーは、レンタルで提供されていない可能性があります。
需要の高い機種は、予約が集中して利用できない可能性もあるため、プロジェクトのスケジュールや品質に影響を与えかねません。
特定の機種を使用する予定がある場合は、メーカーに利用可能な機種のリストを確認し、早めに予約することをおすすめします。
故障すると弁償責任が発生する
レンタルした3Dスキャナーが故障した場合、利用者は弁償責任を負う可能性があります。
最大限の注意を払っていたとしても、予期せぬ事故や損傷が発生する恐れもあるため、リスクとして認識しておく必要があります。
故障や損傷の原因が利用者の過失だった場合、修理費用や機器の交換費用を負担しなければいけません。
レンタル契約を結ぶ際は保険の加入や保証条件を確認し、万が一の事態に備えましょう。
レンタル可能な3Dスキャナーのタイプを紹介
レンタルできる3Dスキャナーは、個人・企業向けと用途に応じて選択できます。ここでは、レンタル可能な3Dスキャナー(Faro社製品)の例をご紹介します。
- FocusSシリーズ
- FocusPremium
- Orbis
本記事で紹介する3シリーズは、当社「クモノスコーポレーション」でもレンタル可能です。
お客様の要望に合わせた最適な機器を提供していますので、まずはお気軽にご相談ください。
FocusSシリーズ
FocusSシリーズは、広大な地形や大規模な構造物の三次元データを効率よく取得できる3Dスキャナーです。
従来の測量機での「単点」での計測・測量と違い、1秒間に数千〜数十万もの情報を高速かつ高精度に取得できます。
構造物の図化にかかる計測を安全かつ短時間で実行できるため、現場滞在時間の短縮も可能です。
本体1つで4.5時間の連続作業も可能で、複数のバッテリーの搭載や外部電源を持ち込む心配もありません。
Focus Premium
Focus Premiumは、前述したFocusSシリーズの上位モデルでより高精度なデータが取得できます。「フェイズシフト方式」と呼ばれる方式を採用しており、高精度と高速性を両立させた3Dスキャナーです。
350mのスキャン範囲をもち、10m〜25mの範囲であれば±1mmの誤差範囲で活用できるため、ミリ単位の作業が求められる現場でも利用できます。
薄暗い環境が多い建築現場や屋内の文化財計測などで使用され、鮮明なカラー点群データが取得可能です。
コンパクトサイズで重量は4.4kgと軽く、移動や作業時の負担を軽減できます。
Orbis
Orbisは、SLAM技術を搭載したコンパクトなハンディ型3Dレーザースキャナーです。GeoSLAMのSLAMアルゴリズムを活用し、高精度な成果物を迅速に提供します。
固定スキャンとモバイルスキャン機能を統合したオールインワン型で、場所に関係なく高品質な計測が可能です。
高度なデータ処理技術も搭載しており、現場で直接スキャンデータの確認や編集を行えます。
その他FARO社製品の詳細が気になる方は、以下の記事も参考にしてください。
3Dスキャナーをレンタルする場合の選び方
3Dスキャナーのレンタルで失敗しないためにも、現場状況に合わせて機種を選択しましょう。
ここからは、3Dスキャナーをレンタルする場合の選び方を紹介します。
- 使用用途を明確にしてから選ぶ
- 測定精度に合わせて選ぶ
- タイプとコストで選ぶ
使用用途を明確にしてから選ぶ
3Dスキャナーをレンタルする際は、使用用途を明確にしましょう。用途を事前にリストアップし、プロジェクトに最適なスキャナーを選択することが大切です。
たとえば、大規模な屋外建築物をスキャンする場合は、長距離をカバーできる機種が適しています。
細部の精密なスキャンが必要な場合は、高解像度を提供する機種の選択がおすすめです。
測定精度に合わせて選ぶ
3Dスキャナーの選定において、測定精度は重要です。プロジェクトに必要な精度を満たせない機種では、どれだけ他の条件が合致していても適切な選択とはいえません。
たとえば、工業製品の品質検査では数ミクロン単位の精度が求められます。一方、建築物の3Dモデリングでは数ミリ単位の精度で十分な場合もあります。
3Dスキャナーをレンタルする前に必要な精度を確認して、要件を満たせる機種か見極めましょう。
3Dスキャナーの精度について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
タイプとコストで選ぶ
3Dスキャナーをレンタルする際には、スキャナーのタイプとコストも考慮しましょう。
たとえば、狭い空間や複雑な形状のオブジェクトをスキャンする場合、操作性に優れたハンディタイプがおすすめです。
ただし、レンタル料金も機種によって異なるため、プロジェクトの予算も考慮して最適な機種を選ぶ必要があります。
使用用途と予算を考慮し、コストパフォーマンスの高い機種を選択しましょう。
3Dスキャナーをレンタルする際の注意点
高価の3Dスキャナーを低コストで利用できるレンタルには、注意するべき点が存在します。
思わぬ損失や不都合を発生させないためにも、レンタルする前に確認しておきましょう。
- 契約内容を詳細に確認する
- サポート体制を確認する
- データの取り扱いに注意する
契約内容を詳細に確認する
3Dスキャナーをレンタルする際は、契約内容の詳細を確認しましょう。
レンタル期間や料金、延長オプションなど契約に含まれる条件を見逃すと、思わぬコストが発生する可能性もあります。
レンタル機器の返却条件についても事前に明確にすると、契約終了時のトラブルを避けられます。
予期せぬ追加費用が発生しないよう、損害賠償や故障時の対応に関する条件を事前に理解しましょう。
サポート体制を確認する
レンタルする3Dスキャナーのサポート体制は、機種をプロジェクトで利用する際に不可欠な要素です。
技術的な問題や操作方法に関する疑問が生じた際、迅速かつ的確なサポートを受けられるかどうかは、作業の効率性を大きく左右します。
レンタル会社が提供するサポートの内容や利用可能な時間帯、連絡方法などを事前に確認し、万が一の状況に備えましょう。
データの取り扱いに注意する
3Dスキャナーを使用する際、取得データの取り扱いには細心の注意を払いましょう。
レンタル機器を使用して得られたデータの所有権や使用権、および保管方法に関する規定は、契約書に明記されています。
機密情報の漏洩を防ぐため、データのセキュリティ対策やバックアップの取り扱いについても、レンタル会社と事前に確認しましょう。
3Dスキャナーのレンタルに関するよくある質問
最後に、3Dスキャナーのレンタルに関するよくある質問に回答します。
- 3Dスキャナーを利用できるレンタルスペースはある?
- 個人でも3Dスキャナーをレンタルできる?
3Dスキャナーを利用できるレンタルスペースはある?
3Dスキャナーが利用できる企業や個人向けのレンタルスペースは存在します。
レンタルスペースでは高価な3Dスキャナーを購入することなく、必要な期間だけ最新の3Dスキャニング技術の利用が可能です。
利用可能な施設を見つける際は、オンラインでの検索や業界内のネットワークを活用してみましょう。
個人でも3Dスキャナーをレンタルできる?
個人でも3Dスキャナーをレンタルできます。多くのレンタルサービスは、企業だけでなく個人の顧客にもサービスを提供しています。
個人でレンタルする際は、オンラインまたは電話から使用期間や必要な機種、レンタル料金などを事前に確認しておきましょう。
購入に迷ったらまずは3Dスキャナーをレンタルしてみよう
3Dスキャナーの導入を検討しているけど、どの機種が企業にとって最適かわからない場合、低コストで利用できるレンタルがおすすめです。
レンタルなら低価格で、プロジェクトや作業に適しているか判断できます。
一時的に高性能な3Dスキャナーを必要とする場合や、さまざまなタイプを試してみたいと考えている個人や企業にとって、レンタルは理想的な選択肢です。
購入を検討しているが迷っている方は、まずはレンタルから始めてみることをおすすめします。