3Dレーザースキャナの購入を検討している方のなかには、商品の価格帯が気になっている方も多いのではないでしょうか。
3Dレーザースキャナの価格はタイプや性能で異なるため、予算や用途に合った製品を選ぶことが大切です。
本記事では、3Dレーザースキャナの価格相場や発生するコスト、価格以外に注目したい選び方のポイントを解説します。
【種類別】3Dレーザースキャナの価格相場
3Dレーザースキャナは、種類次第で価格相場が変動します。
3Dレーザースキャナの種類 | 価格相場 |
ハンディタイプ | 10~500万円 |
デスクトップタイプ | 10~300万円 |
業務用・工業用 | 300~1,000万円以上 |
価格相場とタイプ別の特徴を押さえてから、3Dレーザースキャナを選んでみましょう。
ハンディタイプ:10~500万円
ハンディタイプの3Dレーザースキャナ価格は「10〜500万円」が相場です。
ハンディタイプは、軽量かつコンパクトで持ち運びやすいのが特徴です。移動しながら計測したり、狭い場所で調査したりする際に活躍します。
ハンディタイプは、価格帯が手頃な反面、工業用など高額な製品と比べると性能は劣ります。
安さにとらわれ過ぎないように注意して、ハンディタイプの購入を検討しましょう。
デスクトップタイプ:10~300万円
デスクトップタイプの3Dレーザースキャナ価格は、「10〜300万円」が相場で、ハンディタイプと同様に価格帯が広いです。
デスクトップタイプは研究室やラボなど一定の場所に設置して、対象物をスキャンします。計測範囲が限られているため、比較的小さい物体のスキャンに適しています。
計測する場所が決まっている場合や、小型の対象物を測定する機会が多い場合は、デスクトップタイプの3Dレーザースキャナを検討しましょう。
業務用・工業用:300万円〜
業務用・工業用の3Dレーザースキャナ価格は「300万円〜」が相場で、商品によっては1,000万円以上の場合もある高価な機器です。
価格は高額ですが、ハンディタイプやデスクトップタイプに比べて性能が高く、精密機器や建物などの対象物を高精度でスキャンできます。
また、業務用・工業用の3Dレーザースキャナは、自動車やエネルギーなどの分野を中心に、リバースエンジニアリング(製品構造の分析)や開発で活躍しています。
スキャン精度の求められる機会が多い場合は、業務用・工業用のスキャナーを活用してみましょう。
3Dレーザースキャナの価格以外に発生する費用
3Dレーザースキャナを導入する際、購入やレンタルの価格以外にも以下の費用が発生します。
- 導入費用
- ソフトウェアのライセンス
- 消耗品
- 保守・サポート費用
各費用の内訳やトータルコストを把握したうえで、3Dレーザースキャナの導入を検討しましょう。
導入費用
3Dレーザースキャナの導入には、機器の購入や設置費用(初期費用)が必ず発生します。
また、3Dレーザースキャナの購入先次第では、別途費用はかかりますが、導入および使い方についての研修を実施するサービスも存在します。
3Dレーザースキャナ導入後に費用面で焦らないためにも、購入前に概算コストを算出しておきましょう。
ソフトウェアのライセンス
3Dレーザースキャナで取得したデータはソフトウェアで処理するため、導入費用とライセンス料が発生します。
無償で提供している製品も多いですが、機能やサポートが優れているほど、ライセンス料が発生しやすいため、購入前に確認しておきましょう。
消耗品
3Dレーザースキャナを動かすには、ターゲットステッカーや反射スプレーなどの消耗品が必要となります。
また、3Dレーザースキャナを固定するマウントやアームなども経年劣化するため、買い替えの対象となります。
購入後のランニングコストもしっかり把握しておきましょう。
保守・サポート費用
3Dレーザースキャナの維持費として、定期的な点検やメンテナンス、問い合わせなどのサービスを受けられる保守・サポート費用が発生します。
ただ、製品や購入先によってサポート内容が異なったり提供していなかったりするので、サポートの有無や内容を事前に確認しておきましょう。
3Dレーザースキャナを選ぶ4つのポイント
3Dレーザースキャナを選択する際は価格だけではなく、以下のポイントにも注目しましょう。
- 事業との相性
- スキャン精度
- スキャン範囲
- 操作性
事業との相性や性能などを確認してから、3Dレーザースキャナを選びましょう。
事業との相性
3Dレーザースキャナは、事業の内容にあった製品選択が重要です。
例えば、建物や文化財など接触を避けたい対象物には、非接触型かつ広範囲をスキャンできる製品が向いています。
移動しながらの計測や小型の対象物を取り扱う機会が多い場合は、ハンティタイプが使いやすいです。
研究機関や商品開発部など計測の場所が決まっている場合には、デスクトップタイプの3Dレーザースキャナが適しています。
事業で取り扱う対象物との相性や性能を検討したうえで、条件の満たした3Dレーザースキャナを選びましょう。
スキャン精度
3Dレーザースキャナを効果的に活用するためには、高精度なスキャン性能が求められます。
センサーやカメラ数、補正機能などに優れていると、ハイクオリティなスキャンを実現しやすいです。
3Dレーザースキャナの精度については以下の記事で解説しています。
スキャン範囲
3Dレーザースキャナで対象物を効率的に測定するためには、スキャン範囲が重要です。
スキャン範囲が広いと、一度の測定で広範囲の計測が可能となるため、効率的にデータを取得できます。
対象物の大きさや範囲を考慮して、3Dレーザースキャナを選択しましょう。
操作性
3Dレーザースキャナでの計測作業を快適に行うためにも、操作性や使いやすさを重要視しましょう。
操作性に優れた3Dレーザースキャナは初心者でも簡単に使用できるため、シンプルな操作でデータの取得から3Ⅾモデル化まで進められます。
一方、操作や機能が複雑な製品は、使いこなすまで時間がかかるため、属人化(特定の人しか使えない)する恐れもあります。
自社に最適な3Dレーザースキャナを選択するためにも、スタッフの知識レベルや操作性を考慮しましょう。
3DレーザースキャナならFARO社製品がおすすめ
3Dレーザースキャナを導入しようか迷っている方には、「FARO社」の製品がおすすめです。
FARO社は、3D測定やイメージングなどの分野で世界をリードする企業で、さまざまな環境で使用できる3Dレーザースキャナを取り扱っています。
弊社は、FARO社の販売代理店として世界一を6年連続獲得しており、高性能な3Dレーザースキャナを提供し続けています。
3Dレーザースキャナの導入にお困りの方は、ぜひ弊社にご相談ください。
本記事では、以下3製品の特徴や用途を紹介しています。
機種 | 特長 | 価格 | 性能 |
FARO FOCUS PREMIUM | ・わずか4.4㎏の軽量ボディーでありながら、範囲誤差1㎜の高精度なスキャニングを実現 ・オプションのFlashテクノロジーを使用することで高密度のカラー点群をわずか28秒で取得可能 | ・最大到達距離70m、150m、350mの3モデルより選択可能 ・専用の解析ソフトと三脚等備品を含めると、800万円~1200万円 | ・500,000点/秒@614m ・1,000,000点/秒@307m ・2,000,000点/秒@153m ※範囲誤差:±1mm |
FARO Orbis | ・クラス最高のSLAM技術を採用 ・標準機能のFlashテクノロジーを併用することで、モバイルスキャンでは実現できなかった精度2mmを実現 | 専用解析ソフトを含めると、約900万円 | ・最大640,000点/秒@120m ・モバイルスキャン精度:5㎜固定・Flashスキャン精度:2mm |
FARO Quantum Max ScanArm | ・最大0.03㎜の高精度な3Dスキャンを実現 ・特許技術であるカウンターバランス機能を搭載。 | 専用解析ソフトを含めると1300万円~1800万円 | ・3種のモデル、アームの長さの組み合わせにより精度が異なる※QuantamSMax,アーム長2mの場合誤差0.03㎜ |
FARO社の3Dレーザースキャナについては以下の記事で詳しく紹介しています。併せて参考にしてください。
FARO FOCUS PREMIUM
「FARO FOCUS PREMIUM」は、スキャンの精度や効率、データの品質に優れた3Dレーザースキャナです。
1スキャンあたり最大1分の高速スキャンを実現しており、現場でのスキャン時間を最大50%削減できます。
データ品質も高く、オンサイト補正機能による現場での検証・調整で、ハイクオリティなスキャンデータを取得可能です。
また、動作温度範囲が広く、防塵防水性能を備えているため、さまざまな現場環境で使用できます
HDRカメラで明暗の差が激しい環境でも自然な色調でデータを生成できるため、暗い場所での計測にも便利です。
「FARO FOCUS PREMIUM」の製品ページはこちら
FARO Orbis
「FARO Orbis」は、コンパクトで取り扱いやすいハンディ型3Dレーザースキャナです。
片手で持ち歩きながら対象物をスキャンできるため、スピーディーに高精度なデータを取得できます。
360°カメラでリアリティキャプチャ機能「FARO Flash Technology™」も備えており、固定スキャンとモバイルスキャンの使い分けも可能です。
地下やトンネルなどの暗所でも使用できるため、大型の3Dレーザースキャナでは対応しにくい暗い環境でも活躍します。
FARO Quantum Max ScanArm
「FARO Quantum Max ScanArm」は、3Dモデリングやリバースエンジニアリングなど用途に対応したポータブル3Dスキャンアームです。
なめらかに動く多関節式アームと回転軸アームで、スキャナーを対象物に向けやすい仕様になっています。携帯性にも優れているため、デスクトップタイプでは計測が難しい場所でも、スムーズな測定が可能です。
また、従来の3Dレーザースキャナーでは測定が難しい「黒色」や「光沢」のある物体も測定できます。
CADで認識可能なファイル形式への変換や、データの穴埋めができる「FARO Quantum Max ScanArm」で、業務をスムーズに進めましょう。
「FARO DESIGN SCANARM」の製品ページはこちら
3Dレーザースキャナについてよくある質問
最後に、3Dレーザースキャナーに関するよくある質問を3つ解説します。
- 3Dレーザースキャナを利用するメリットは?
- 3Dレーザースキャナの欠点は?
- 3Dレーザースキャナの活用事例は?
3Dレーザースキャナへの疑問を解決し、不安のない状態で導入を検討しましょう。
3Dレーザースキャナを利用するメリットは?
3Dレーザースキャナを利用するメリットは、以下のとおりです。
- 対象物に接触せずデータを取得できる
- 手作業の計測よりも精度が高い
- 取得したデータを3Dモデルとして保存できる
- 3Dモデル化したデータを共有しやすい
3Dレーザースキャナでは、対象物に触れずにデータを取得できるため、手作業と比べて計測漏れが少なくなります。
3Dレーザースキャナで取得したデータは3Dモデルに変換・保存できるため、プロジェクトの効率化につながります。
また、3Dモデル化したデータはアプリやクラウドで共有できるため、遠隔地でのチェックや修正も可能です。
3Dレーザースキャナの欠点は?
3Dレーザースキャナは、照射したレーザーから反射した光を活用するため、黒色や光沢のある対象物の測定を苦手としています。
製品によっては、黒色や光沢がある対象物を計測できる場合もあるため、計測性能を事前に確認しておきましょう。
3Dレーザースキャナの活用事例は?
3Dレーザースキャナは、手作業の計測による精度や効率を改善できるため、以下の分野で活用されています。
- 建物や工場などの干渉確認
- 文化財や街並みのデジタルアーカイブ化
- 建築現場での施工シミュレーション
- 森林などの土地計測
- リバースエンジニアリング
- 品質管理
現場での測量や重要文化財の保全、商品開発などに幅広く活用できるため、事業にあわせて3Dレーザースキャナを活用しましょう。
3Dレーザースキャナを森林で活用した事例については、以下の記事も参考にしてください。
3Dレーザースキャナの価格を理解し予算に合った製品を導入しよう
3Dレーザースキャナの価格は、製品のタイプや性能で相場が異なります。ハンディタイプやデスクトップタイプは数十万から数百万円、業務用・工業用は数百万から1,000万円程度が相場です。
本体価格以外にも、導入費用やソフトウェアのライセンス料などが発生するため、トータルコストを考慮して購入を検討しましょう。
クモノスコーポレーションでは、ハンディタイプやアームタイプなどさまざまな3Dレーザースキャナを取り扱っています。導入を検討している方は、お気軽にご相談ください。