こんにちは!中庭幸太です。今回は外壁調査・診断に関連した記事を書いていこうかなと思っております。
「遊離石灰(ゆうりせっかい)」と「エフロレッセンス」についてです!
外壁のお仕事をされている方々は、ご存知かとは思いますが、今回はこれらについて書かせていただきます。
人によっては「エフロ」とか言ってみたり「白華(はっか)」とか言ってみたり、「遊離石灰」とか言ってみたり。意外にまちまちだったりします。
私は一年前まで外壁診断を行っていたのですが、正直最初の頃は「エフロ」が今時の呼び方で、「遊離石灰」が一昔前の職人さんが使う古い呼び方だと思っており、心の中では「どちらも一緒でしょ。白いあれ」と呟いていました。
そんな風に思っている方へ必見!! 今回は「遊離石灰」と「エフロレッセンス」の違いについて書いていこうと思います。
「遊離石灰」とは?
「遊離石灰」とは、コンクリートやセメント内のほかの物質とうまく結合できず、単体で残った酸化カルシウムなどの成分のことを言います。
その酸化カルシウムなどが雨水などの水分と共にひび割れを通じて外壁の外へ析出したのが、あの白いものです。
コンクリートの強度や品質は水分とセメントの比(水セメント比)で調整されます。
例えば、現在では滅多にないですが、コンクリートを作る際に水分を過剰に多くすると、強度が落ち、内部で「遊離石灰」が多く発生する場合があります。
さらに、内部で発生した「遊離石灰」がコンクリートを膨張させ、ひび割れを生じさせる場合もあります。橋脚やダムなどに「遊離石灰」が多く見られるのも、それが原因かもしれませんね。
簡単に言うと「遊離石灰」は、コンクリート内の酸化カルシウムなどの成分が外部に漏れ出している状態のことを言います。
「エフロレッセンス」とは?
「遊離石灰」をお洒落に言ったものではないですよ。現場では大体「エフロ」と呼ばれることが多いですね。
「エフロレッセンス」と書くと長く、読みにくいと思うので、現場でよく用いられる「エフロ」と言う通称で書かせていただきますね。
「エフロ」とは、コンクリート内に浸入した雨水などの水分が、内部の可溶性物質と反応・結合し、水分の蒸発やひび割れを通じて析出する現象のことを言います。特に秋から冬にかけては発生しやすく、温度が低い方が起こりやすいと言われています。
温度が低いとコンクリート内の可溶性物質が水に溶けやすく、尚且つ、析出した可溶性物質がゆっくりと蒸発していく為、気温の低い冬などに発生しやすくなります。建物や構造物の北側は日影ができやすいため、「エフロ」が発生しやすいと言われています。
結局違いって何?
「遊離石灰」と「エフロ」について書いてみましたが、結局何が違うかと言うと、
「遊離石灰」はコンクリート内の成分自体のことを言い、
「エフロ」は「遊離石灰」などの成分が外部に漏れ蒸発したもの、現象のことを言います。
という事で「遊離石灰」という単語を使う時は「あの白いものは遊離石灰が出てきていますね」が正確な言い方です。
そして「エフロ」という単語を使う時は「あの白い損傷は遊離石灰などの可溶性物質がエフロという現象が起きて出てきていますね」が正確な言い方です。
あとがき
意外に知らない違いではなかったでしょうか。また機会があれば、このような損傷などの違いについて書かせていただければと思います。
この記事を見て「へー」と思ってくれた方が一人でもいれば幸いです。最後まで読んでいただき有難うございました!!
本日もご安全に!