ここ数年、大雨による異常な河川の増水によって、橋脚が押し流される事例が多発しています。はたして、一回だけの異常な増水によって橋脚は流されてしまうのでしょうか?
河川は日々流れ続けていて、橋脚の足元は、その流れによって日々削られているのです。これを“洗堀”と言います。“洗堀”によって、橋脚の根本は、歯槽膿漏のような状態になってしまい、とどめの異常な増水によって流されてしまうのです。
“洗堀”を事前に把握し、被害を未然に防ぐために、どのような対策がとられているのでしょうか。
従来の洗堀調査では、直接目視できる箇所以外について、ポール等を使用して河床高を測定し(図表1)、下部構造の診断・検討を行っています。また、潜水士や水中ドローンによる画像の取得(図表2)によって、状況確認を行う場合もあります。
従来調査の問題点として、所得出来る情報が観測した箇所の高さのみであり、河床の形状把握が難しかったり、濁りがある場合には状況が把握できなかったり、構造物自体の洗堀がある場合には、その状況を把握できないなどがあげられます。
クモノスコーポレーションが提供する『スキャニングソナーとレーザースキャナによる橋梁基礎形状計測技術』【技術番号:BR030037-V0122】計測・モニタリング技術(橋梁)は、
スキャニングソナー及び地上型レーザースキャナを用いて対象物の形状を計測し、3D座標としてデータ化する技術で、“点検支援技術性能カタログ”※注1に掲載されています。
スキャニングソナーは、濁度に影響されない調査が可能です。また、マルチビーム方式なので、広範囲の3D点群データの取得が可能です。さらにクモノスコーポレーションの3D計測技術では、局所的な3D点群データの取得も可能で、地上部(気中)と水中部(水中)の3D点群データを合成(図表3)することにより、位置相関や洗掘の深さを正確に把握することができます。取得した3D点群データからは、平面図(図表4)や立面図(図表5)のようなアウトプットも提供可能です。
詳しくはこちらをご覧ください。https://kumonos.co.jp/technology/pointcloud/3d/water/
図表3
地上部(気中)と水中部(水中)の3D点群データを合成事例
インフラ構造物は日々老朽化し、異常気象による大雨やスーパー台風のリスクも増している今日、正確な洗堀調査による現状把握と対策は急務となっています。また、SDGsの観点からも重要です。流れてしまってからでは遅いのです。道路橋や鉄道橋なら交通や流通は分断、水道橋やガス橋などならライフラインが分断され、その被害損失額や復旧費は莫大に膨れ上がります。
「調査をせねば」とご検討中の皆さま、今すぐクモノスコーポレーションにご相談ください。迅速・丁寧・正確に洗堀調査を実施いたします。
注1:点検支援技術性能カタログとは
点検支援技術性能カタログは、道路法及び省令に定める定期点検要領の中で、従来技術では対応できない箇所や、人員・予算不足により従来の方法が実施できない場合の対策として、国土交通省が主体となり取りまとめた技術集です。画像計測技術(橋梁)(トンネル)、非破壊検査技術(橋梁)(トンネル)、計測・モニタリング技術(橋梁)(トンネル)、データ収集・通信技術、路面性状診断(舗装) の8分野で構成されています。