THERMO DELTAは、赤外線サーモグラフィで測定した温度データを、外壁診断に最適な解析手法により自動分析し、図面や画像を作成する、全く新しい赤外線調査システムです。
業界で初めて、色彩情報ではなく、温度データを自動解析し、基準温度差以上の部分を抽出する解析ソフトを開発することで、従来と比較して、より正確で迅速な解析処理が可能になりました。
目視や打診調査による定性的な判断から定量的な判断へと進化した画期的なシステムです。
赤外線画像解析サービス THERMO DELTA
外壁タイルの浮き・はがれを非接触で測定・解析
THERMO DELTAの特徴
- 従来の打診調査とは違い、足場材等の仮設物が不要。安全性が高く、調査時間を短縮可能です。
- 高精度30万画素カメラを使用することで画像精度が上がりました。
- 目視や打診調査と比べ、画像解析することで客観的に判定します。
- 独自解析ソフトの使用により、他の赤外線調査では真似できない精度で細部にわたり、明確にピンポイントで表示します。
正確・均一な赤外線画像解析
赤外線サーモグラフィにより測定した記録画像は、画素ごとに温度データを持っており、この温度ごとに120色の色情報を設定することにより赤外線画像が表現されています。
従来の解析手法は、目視で色の違いを見て外壁の状態を解析するため、微妙な判定、特に色境の判定が困難で、解析者の経験・能力などに結果が大きく左右されていました。
THERMO DELTAは、温度データそのものの相対温度(温度差)を自動的に解析し、基準温度差以上の部分を抽出します。また温度勾配を自動的に判断しますので、従来の解析手法に比べ正確で、経験・能力等に左右されない均一な解析結果を迅速に抽出することができます。
高品質な報告書
データベースと図面データを連携し、高品質な報告書類を作成します。
赤外線画像から抽出したデータを、CAD図面やデジタルカメラ画像に転記して「マッチング画像」(※)を作成し、CAD図面に転記したデータを集計して、タイルの浮き面積を集計することも一連の作業で行います。
支障場所の特定や改修工事の積算に役立ち、定期報告制度(建築基準法第12条第11項)にも対応しています。
※マッチング画像とは
赤外線データ測定の際に同時撮影したデジタルカメラ画像(可視画像)に、赤外線画像から抽出したデータを転記した画像です。従来の赤外線画像に比べ、可視画像に重ねて温度変温箇所を色付けしますので変状の位置が把握しやすくなります。
温度差データを自動解析
従来の赤外線調査は、闇雲に撮影した画像データを目視により色見を比較し、周囲よりも色の濃い部分を判定しているため、解析者の能力・経験に大きく左右されます。また、その結果を目視により図面に転記するため、位置や範囲など精度にも限界があります。
クモノスコーポレーションなら、打診により集積したデータを赤外線画像と比べ支障個所の温度差を特定し、サンプリングによって報告得られた温度差データそのものを自動解析しているため、正確・均一・迅速に解析が行えます。
解析作業から報告書作成までを一連の作業で効率良く行います。
KUMONOSとの連携
クモノスコーポレーションの特許技術「KUMONOS」は、離れた場所からひび割れの幅・長さ・位置を高精度で測定し、そのデータを自動描画する新しいひび割れ計測システムです。
この「KUMONOS」で取得したデータを基に生成したCAD図面と赤外線解析で抽出したデータを連携させることで、ひび割れと温度異常部分の関係が明らかになります。それにより、さらに正確な状況判断が可能になります。
落下危険度判定
KUMONOSによるひび割れ位置とTHERMO DELTAによるタイル浮き箇所の位置関係からタイルの落下危険度を一級建築士が判定します。
THERMO DELTAの適用範囲
- 建築基準法第12条に基く、外装仕上材の調査、及びその他外壁調査
- 特定建築物定期調査業務基準(一般財団法人日本建築防災協会)に基づくコンクリート建造物の劣化(爆裂、空隙等)調査
- 橋梁、擁壁、トンネル、ビル、その他コンクリート建造物全般
- 外装材、内装材の漏水調査
【工法紹介】タイルピンポイント工法
タイルピンポイント工法の特徴
- THERMO DELTAによる調査で、浮きや剥がれがあると特定したタイルのみを張り替えます。
- 張り替えには弾性接着剤を用いて、周囲のタイルと接着し強度を持たせます。
- 張り替えが少量ですむため、廃棄物量を大幅に削減できます。
- 広範囲にわたって剥離している箇所に有効です。
タイルピンポイント接着アンカー工法では 4つ の特許を取得しています。