ライカ ジオシステムズ社製モバイルマッピングシステム、Pegasus: Twoは、従来のMMSと比べ、取得可能な点群データ数や位置精度、取り外しの自由性など、あらゆる面において飛躍的に性能が向上した最新の移動計測システムです。
モバイルマッピングシステム Pegasus: Two
車両・鉄道・船舶などに搭載
- 高密度・高精度の点群/画像データを取得
- 機動力を活かして1日当たり数十kmを計測
- 可搬型でさまざまな移動体に搭載可能
Pegasus:Twoは、GNSS 受信機、IMU および DMI と共に、1台あるいは複数のレーザースキャナと複数のカメラを備えた搭載型の移動体3次元計測システムで、精度の高い空間データを取得します。
Pegasus:Twoの特徴
取り外し自由な本体
Pegasus: Twoの本体は、従来型MMSのように車両に固定されているものとは違い、取り外しが自由で、自動車のみならず鉄道車両や船舶などにも搭載することができます。また、重量は約51kgであり、作業員による運搬も可能です。さらに、従来型MMSでは、機器を搭載するための専用車両が必要でしたが、Pegasus: Twoは、専用車両や車両の改良は不要です。
ストリートビューのような360°撮影
1200万画素12MPの魚眼カメラを2台結合し、2400万画素24MP相当の全周囲パノラマ画像を取得することができます。また、専用ビューワでは、パノラマ画像ウインドウと点群データウインドウを連動または重畳して、作業を行うことが可能です。
絶対精度と計測速度・密度の飛躍的な向上
絶対精度とは、そのモノが地球上のどこにあるのかというモノ自体の位置情報の精度です。Pegasus: Twoは、20mm(RMS)と非常に高精度です。また、200回転/秒と高速回転するスキャナは、最大100万点/秒の点群データを取得可能であり、走行中における均一なデータの取得を実現しました。
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Pegasus: Two シリーズ 機器スペック
Standard Ultimate Ultimate – Dual Scanner 概要 1台のレーザースキャナと最大8台のカメラを備えたスタンダード構成。 Standardに360°パノラマ画像が取得可能なカメラを追加、側面カメラの解像度も向上。 2台のレーザースキャナを異なる角度で配置、点群密度が大幅に向上。 レーザー ZF 9012 (100万点/秒のデータ取得) ZF 9012×2台(200万点/秒のデータ取得) カメラ数 内蔵カメラ: 7台(オプションで1台のリアカメラ) 内蔵カメラ: 4台 / デュアル魚眼カメラ: 1台(オプションで1台のリアカメラ) センサー 高感度CMOS 4MP(2,000×2,000) 内蔵カメラ: 高感度CMOS 12MPデュアル魚眼カメラ: 24MPパノラマカメラシステム(2×12MP) IMU FOG 200Hz / MTBF 35,000時間 GNSS トリプルバンド(Lバンド・SBAS・QZSS)でGPS、GLONASS、Galileo、BeiDouを確実に受信 計測精度 水平:0.020 m RMS、鉛直:0.015 m RMS(上空が視界良好の場合)
活用事例:車両
交通規制不要で長距離路線を計測
1日当たり数十kmの道路を計測します。 法定速度での走行と同時に対象路線の計測を行うことができるため、交通規制が不要で、短い現地作業時間で広範囲のデータを取得することができます。標定点を設置しての高精度補正や同一区間を複数回計測したデータの解析による誤差の低減などの独自の計測・解析技術を駆使して、さらなる高精度計測へのニー ズにも対応できます。
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道路現況図面(平面図/縦・横断図)
一般車両の通行を妨げることなくデータを取得することができます。取得したデータをトレースし、白線や道路付帯物などの図化を行います。 道路台帳図や軟弱地盤の沈下計測に活用できます。
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歩道拡幅シミュレーション
現在の道路および周辺の建物などの計測データから3Dモデルを作成します。そこに歩道拡幅計画などを反映することで、景観シミュレーションを行うことができます。
活用事例:軌陸車
限られた時間で軌道内を3次元化
Pegasus:Twoを搭載した軌陸車による線路上走行がそのまま計測作業になります。計測対象箇所までの移動・計測・撤収をシームレスに行うことができるため、最小限の計測機器での短時間計測という軌道内での計測ニーズにお応えすることができます。
建築限界の調査
線路上を走行するため、その周辺設備の連続した3次元データを確実に取得します。任意の位置での断面形状を抽出することで、建築限界の調査や確認を行うことができます。
施工シミュレーション
線路や地形、設備の点群データと3次元モデルを併用して3次元プラットフォーム上で一体化することで、計画から設計・施工・維持管理の各業務で利活用することができます。
活用事例:船舶
水上から護岸や堤体を計測
船舶にPegasus:Twoを搭載して水上から計測することで、地上からの計測では死角となる岸壁や堤体などの施設・設備を計測することができます。
消波ブロックの現況調査
消波ブロック設置時の出来形管理や波浪による経年劣化調査のために、消波ブロック上に立ち入ることなく安全に現況を計測することができます。
港湾の岸壁変状調査
岸壁の垂直面を海側から計測することができます。また、地上計測や水中スキャナを併用することで、海底を含む港湾全体を計測することができます。