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3次元計測

消えゆく名建築「中銀カプセルタワービル」を「デジタルレガシー」に

今こそ”KUMONOS®

こんにちは!戦略統括部の堀越です。

突然ですが、皆さんは「中銀カプセルタワービル」をご存じでしょうか?
1972年に竣工、東京都銀座に位置する、カプセルが積み重なったような不思議な建物で、首都高から見たことがある人もいるのではないでしょうか⁈
※上部写真参照【引用】 Jordy Meowによる著作物https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=31395049

 

この建物は、世界的巨匠である「黒川紀章」が設計をしています!
過去には東京都知事選にも出馬したり、メディア露出も多く、他に設計をしたものに国立新美術館やカザフスタンの都市があります。

【引用】 さよなら黒川紀章の名建築~中銀カプセルタワービル(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220426/k10013597351000.html)より引用

 

さて、こんな不思議な建物はどんな経緯でできたのでしょう。
…その答えは1970年の大阪万博にあります。

1970年大阪万博と中銀カプセルタワービルの繋がり

大阪万博で、カプセル建築と出会った中銀グループの創業者、渡辺酉蔵氏が黒川紀章に集合住宅の設計を依頼したことから始まっています。(注1)

測

タカラ・ビューティリオン

酉蔵さんが見たメタボリズム(注2)の思想が反映された、タカラ・ビューティリオン
【引用】https://www.expo70-park.jp/cause/expo/takarabeautilion/

※注1:大阪万博にてカプセル建築を見た渡辺酉蔵氏が黒川紀章に設計を依頼した集合住宅は、メタボリズムの記念碑的な作品となった。【工学院大学建築学部教授 鈴木敏彦 https://capsule-architecture.com/1972nakagin.html より引用(2022年5月20日時点)】
※注2 メタボリズム:戦後日本の工業技術の発展と経済成長を糧としながら、気鋭の若手建築家らが西欧から輸入された近代建築を乗り越えようと結成した建築運動。都市スケールで増殖・展開する建築を提案することで未来社会を先取りし、世界中の建築家らに衝撃を与えた。
http://touron.aij.or.jp/2017/06/3954より引用】

世界中にある残したい、守りたい、名建築たち 極力残したいけど… 壊すくらいならせめてデータで残したい!!

それぞれの都市の風土と人と建築家の意図など様々なものが絡み合い、一つの建築ができていて、そこには人々のたくさんの思い出があるはずです。
極力残したい…けど壊れてしまう現実を受け入れたうえで、思い出を新たな形で生まれ変わらせて、研究や活用する方法がある!

大学院まで建築を勉強していた(学部で建築意匠、修士で都市史を専攻)、入社2年目の筆者が就活をしていたときに、弊社を志望したのもこのようなことがしたかったからです!!!!!
就職して1年がたつ前に、このような仕事に携われてとても嬉しいです。

これからは、このデジタルデータどのように有意義に活用するかを、これを読んでいるあなたと一緒に考えていきたい。
どうすれば、カプセルを交換できたのかを考えたり、建物がアバターになったり…などなど

もちろん、今あるものを後世に残していく維持管理のお手伝いも、弊社は得意分野です!
(詳しくはこちら→https://www.kankou.co.jp/technology/kumonos/)

3次元点群データの取得をお手伝い

…さて、話がそれましたが、中銀カプセルタワービルは2022年春惜しまれながら解体が始まりました。。。

しかし、解体される前にデジタルアーカイブの基礎となる3次元点群データの取得をお手伝いいたしました!!

▲3Dデジタルアーカイブ化の流れ(GIFアニメーション)

▲3Dデジタルアーカイブ化の流れ(GIFアニメーション)

 

デジタルの世界で活用できる素材(AR、NFT、など)を作るためにクラウドファンディングをしています!

【クラウドファンディング】「3D Digital Archive Project /建築『中銀カプセルタワービル』を3次元スキャンで記録に残したい」

測

どうぞご支援のほどよろしくお願いいたします!

※株式会社 gluon様主導の基、「中銀カプセルタワービルA606プロジェクト」と協同で学術的調査を行い記録保存に取り組んでいます。

 

現実世界では壊されてしまう建築がデジタルの世界で生まれ変わる⁈

そんな未来が来ています。

中銀カプセルタワービルのように壊されてしまう名建築が多くある

中銀カプセルタワービルと同時期の高度経済成長期前後に建てられ、取り壊しの危機に瀕している建築が日本中にあります。
一つ例を挙げると、香川県立体育館も危機に瀕しています。
(余談ですが、香川県立体育館の設計者は黒川紀章の研究室の先生である丹下健三です。)
【参考】http://kentaihozon.org/

近代建築は解体しての更新が難しいうえ、維持補修のコストが高額になる傾向にあるため、保存していくのが難しい現実があります。

でも、、、壊されてしまう建築もどうにか残したいというのが筆者の熱い思いです!

唐突ですが、万博のパビリオンも壊されてしまいますよね…

太陽の塔だけがEXPO70のレガシーとして残っていますが、他のパビリオンはほとんど壊されていますね。。。
あの時代に僕が生きていれば、スキャナーを携えてまるっと測って…と惜しむばかりです。

そこで!!2025年大阪関西万博のパビリオンでは、活用可能な3D点群データで保存して「デジタルレガシー」にしたい…!!!!

実はなんと、大阪万博に向けてパビリオンをデジタルレガシーにする予行練習してきちゃいました!
詳しくは、流離の執行役員JET船越の「弾丸‼ドバイ万博日本館3D点群計測道中記」をご覧ください。

デジタルレガシーにすることによって、パビリオンに訪れた人の中から、第二、第三の黒川紀章氏が出てくるかもしれません。

デジタルレガシー、デジタルアーカイブにご興味のある方!筆者と話したい方!メールフォームからお問い合わせください!