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3次元計測

河川の増水による堤防の洗掘を調査しませんか

今こそ”KUMONOS®

この度の「令和2年7月豪雨」により被害を受けられた皆さまに、心よりお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興を心からお祈り申し上げます

豪雨災害のうち、熊本県の球磨川や山形県の最上川など、河川の氾濫が家屋に甚大な被害をもたらしています。いくつかの堤防では、越水による氾濫だけでなく、堤防決壊によるさらに大きな被害が発生しています。

河川の氾濫が発生しなかったとしても、大雨の増水により堤防が弱体化している可能性があることはご存知でしょうか。弱体化した堤防は、次の大雨で決壊してしまう危険性が高まります。本記事では、河川堤防の決壊の主な原因である「越水」「侵食」「浸透」のうち、「侵食」にスポットを当てて、その調査技術についてご紹介します。

河川堤防決壊の主な原因

  1. 越水:堤防を越えた川の水が、堤防の裏側を削る。
  2. 侵食:川の流れが堤防を削ることで、堤防が地滑りを起こす。
  3. 浸透:川の水が堤防内に浸透することで、堤防が弱体化。

河川堤防を侵食する洗掘現象

河川の激しい流れは、水中構造物によって妨げられることで、流れが複雑になります。この複雑な流れが河床の土砂を掘る(洗掘といいます)ことで、堤防を支える土砂を侵食する可能性があります。これにより、堤防が支えを失って崩壊してしまうのです。河川が増水して流れが速くなるほど、洗掘が発生しやすくなり、洗掘量も多くなります。また、洗掘は堤防だけでなく、橋の橋脚付近でも発生し、橋脚倒壊の原因になることもあります。

出典:国土交通省 北陸地方整備局ホームページ http://www.hrr.mlit.go.jp/river/dam-bousai/mch_001.html

この洗掘現象が厄介なのは、地上からは見えない部分が弱体化しているため、大変調査が難しいことです。

そこで、洗掘の調査に弊社の水中計測技術をご活用ください。弊社では、Teledyne BlueView 社製の3Dスキャニングソナー「BV5000」を使用して、水中の構造物や地形の計測業務を行っています。

洗掘調査に最適な計測技術「BV5000」

「BV5000」は、高周波数測深用ソナーにより、水中の地形や構造物を3次元データ化する技術です。少しわかりにくいと思った方は、右図を見てください。「BV5000」を使うと、水中の地形や構造物をこのような点の集合体(点群データ)として計測することができるのです。

この「BV5000」は、三脚に固定して計測するほか、船舶や水中ドローンに装着して移動計測を行うこともできます。

この「BV5000」が洗掘調査に最適なのは、次のような特徴があるからです。

多方向から検証できる

「BV5000」で計測したデータは3次元データになります。ソフトウェア上で任意の方向に回転することができるため、奥まった場所や細部であっても見逃さずに変状を発見することができます。

人が潜る必要がない

「BV5000」は、地上あるいは船上から計測を行います。従来の調査のように潜水士が立ち入って調査する必要がないため、増水して水の流れが速い場所、事故の危険性が高い場所も調査することができます。

水質に依存しない

「BV5000」は、高周波数測深用ソナーで計測するため、視界ゼロの環境下でも調査することができます。目視調査やグリーンレーザーによる計測と違い、濁度による影響を受けません。

 

そのほかの詳しい仕様・特徴はこちらをご参照ください。

 

阪神淡路大震災の復興支援を目的に創業した弊社では、様々な被災地・災害現場で計測を行ってきた実績があります。水中ソナーを使用した3次元計測をお考えの方は、ぜひクモノスコーポレーションまでお気軽にお問い合せください。