こんにちは。広報担当の大谷です。今回は弊社が保有している3Dプリンタについてです。
弊社では産業用の3Dプリンタ、3D SYSTEMS社製 ProJet 660Proを2015年に導入し活用しています。3Dプリンタの使用材料や造形方法にはさまざま種類がありますが、660Proは石膏を使用するタイプです。
機械の中にあらかじめ充填した石膏の粉末を、0.1mmずつ積層し、バインダー(接着剤)を使うことで形を作っていきます(粉末固着式積層法)。
また、紙のプリンタと同様にCMYKのカラーインクを使用していますので、造形物をフルカラーで出力することが可能です。
他にも、3Dプリンタには、液体樹脂を紫外線で硬化させるもの、ABSなどの熱可塑性樹脂を積層するものなど、さまざまなタイプがあります。
造形の様子
では、実際に造形する際の手順をご紹介します。
データ読み込み
Rhinocerosなどで作成した3Dモデルを、3Dプリンタ用ソフトで読み込みます。出力前にダイアログが表示され、造形にかかる時間・石膏やインクの使用量が表示されます。
立体造形
プリントヘッドが1往復するごとに0.1mmの石膏の粉末を重ね、造形していきます。同時にCMYKインクも噴射され、表面に色が付きます。今回の造形ではおよそ2時間で造形が完了しました。
取り出し
造形が終わると、今度はバキュームクリーナーを使って粉末を吸い取り、造形物を取り出します。一見何も無いように見えますが、事前に指定した位置に造形物が埋まっているため、慎重に取り出す必要があります。
続いて、造形物をプリンタ右側に移し、コンプレッサーの空気で付着した石膏を吹き飛ばします。細かいパーツがある場合は一緒に吹き飛んでしまうので、筆や刷毛などで粉を落とします。
含浸(がんしん)
そして、液体の接着剤を流して固めます。
接着剤がきちんと付着していない場所はスポイトを使います。また、表面に滲み出た接着剤は色ムラの原因になりますので、ペーパータオルで手早く拭き取ります。
いかがでしょうか?3D”プリンタ”と言っても、紙の印刷のようにボタンを押してすぐ出力できるわけではありません。むしろ、石膏を使用するタイプの場合は人間の手が造形物の品質を大きく左右します。
弊社では3Dプリンタを活用し、点群やモデルデータの出力を承っています。ご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。